シェフの想い

「もう、いやだ。なんでそんなことまで言われるのか・・・」

僕が、スープカレーの修業を始めた頃に、拳を握りしめ、涙をこらえてつぶやいた言葉です。

あれから、長い時間が流れました・・・
お元気ですか?東京スープカレーCahayaのシェフ草野能史です。

修業時代

ある日、オーナーから呼び出された。そして、突然こんな命令。

「札幌に行ってスープカレーを作れるようになって来い。」

よく理由もわからぬまま、単身札幌に乗り込んだ。34歳の春のことです。

次の日から、朝4時に起きて5時からスープ作りの日々が始まる。
11時の開店までに間に合わせなければならない。
いつも同じ作り方をしているのに、微妙に味が違う。




日々全く同じ野菜はないし、炒めると味も変わる。
火加減で味が大きく変わってしまう。
FC契約なはずなのに、マニュアルもない。レシピすらない。

覚えるのは自分の心と身体しかない。
出来の悪い僕は、遂に修業先の店長に、こんなことまで言われる始末。
「おまえは味覚障害かっ」
正直、そこまで言うかと悔しすぎて涙も出なかった。

スープの味を覚えようと、瓶に詰めて持ち帰り近くの宿舎に持ち帰ろうとすると
「おまえは、泥棒だ。スパイなのかっ」
味と技術は盗むものだ。

店以外でも努力しろと言ってたじゃないか・・・
でも、引き下がるわけにはいかない。

オーナーは多額の投資をしているし、自分にとっても、あきらめた時点でチャンスを失うことになる。だから、罵られようと耐えるしかなかった。じっと・・・

東京へ帰還

いよいよ、店がオープンするということで東京に戻ることになった。
しかし、修行先の店長から卒業を言い渡されたわけではなかった。
振り返ってみても、どこがどう悪かったのか皆目見当がつかなかった。

なぜ?どうして?どこが?
という言葉が頭を渦巻く。当然不安な日々。

そんな僕であったが、オーナーは開店を決断。
なぜなら、オーナー自身も先方の説明が意味不明だったようだ。
少し救われた気がした。

しかし、不安というものは的中する。
作ってはみたものの味は毎日ブレるし、修行先からは完全に見放された状態。

一度、店長が見に来てくれたが、壁の色や炊飯器の位置など、店そのもの全てダメ出しされて、途中で指導を放棄して帰ってしまう始末。
もう感情的に僕のことが嫌いだったようだ。
ホント、なんでだよ~最初から教えてくれてもいいことじゃないかと泣きたかった。

この時の先方の大人気ない態度が理由なのか、オーナーは話さないから真実はわからないが、旧屋号とそれからしばらくして決別をした。

再出発

旧屋号と決別して東京スープカレーCahayaとして再出発。
でも、新しい屋号にしたからといって急激に味のレベルが上がるわけではない。

僕が一人厨房で悪戦苦闘していると、背後に人影が・・・

なんと、オーナーだ。
オーナーは独自で味を知り合いの料理人に学びにいっていたのだ。
スパイスも専門の人に教授を受け、あらゆるラーメン屋を廻りスープの作り方などを身につけてきたのだ。

それからは、オーナーと共に味の追究が始まった。
ある意味修行時代より厳しかった。
愛の鉄拳も一度や二度じゃない。
愛情溢れる言葉も僕の心の涙に変わった。
でも、本当に苦しいのはオーナーだと思った。

もちろん、雇用の問題、撤退するにも費用がかかるわけで、八方塞とはこのことである。
これは、後日談だが、オーナーはこの時の心境をこう語っている。
商人として、人様に受け入れられていない事実、誰の役にも立っていない現実が何より悔しかったそうだ。

事実、来店客数0という日も本当にあったからだ。

だから、僕はオーナーについて行った。前に進むしかなかった。

どうしたら、あなたに喜んでもらえるか?

オーナーとの格闘を続けていると、段々と味も順調に良くなってきている実感が持てるようになってきた。

二度三度と来店してくださる方も増えてきたし、
「おいしかったよ、また来るね」
という言葉も頂けるようになった。
本当にうれしくて思わずガッツポーズがでちゃうくらいだった。
また、近所の方にはいつも「がんばりなさいよ」と励まされた。
でも、お客さんの数は経営を安定させるには程遠い現実。

次は、どうしたら、あなたに喜んでもらえるか?の追究の始まり。

そんなある日、スープをいつも通り作っている時のこと。

偶然、前日に見ていたインターネットのあるキーワードと一致したものを発見した。
当店のスープは大量に豚骨を使用する。
俗に言う「げんこつ」というものだが、これを大量にコトコトと火加減に細心の注意を払い、アクを丁寧に取りながら牛骨、鶏がら、香味野菜らと一緒に煮込む。

長時間煮込み続けるとスープの色が白濁してくる。
これがまさに豚、牛、鶏、野菜スープ。
さらに、この骨たちを圧力鍋に移すのだが、その時、豚骨一本一本に鶏からにもプルップルのゼラチンがたくさん、たくさんいるぅ!!

まさにコラーゲン! 
しかし、これを磨り潰したりするのではなくまた、骨もろともじっくりじっくり煮込み続け、待つこと数時間・・・
そうするとツヤツヤなスープ、まさに他の添加物が一切含まれない純度100%のコラーゲンスープが出来上がる。
骨の方はというと、もう石のようになっている。
つまり、スープにその活力をすべて出して燃え尽きてしまっている状態。
あのプルップルはすべて半凝固体よりも液化が進んだ状態でスープにしっとり馴染んでいる。

それに、20種類以上のスパイスをコラボさせ、漢方の入ったプレミアムスープに13種類の野菜と食せば、スパイス・コラーゲン・ミネラル・ビタミンが一時に摂取できる、スーパー美容・健康食であると発見したわけ。

しかも、スープカレーなので、小麦粉も入っていないということはメタボ対策にもバッチリ?!ということにもなる。
最近では、コラーゲンボールなるものが流行っているけど、わざわざそれを別に注文なんてしなくても当店のスープカレーには自ずとたっぷり含まれている。

姿形は確認できなくても、その過程をすべて見て作っている保証するし、スパイスは、古くから薬の代わりとして洋の東西を問わず用いられてきていて、事実、フランスの諺には「庭にセージを植えている家には医者いらない」とあるくらい。
スパイス自体を漢方と称してもなんら偽りではない。

コラーゲン+スパイス=美と健康のスープカレーとなるわけだ。

どうですか?
これを食べて、もし、
「なんか、最近肌がピチピチになったね」
ってお友達に言われたり、
「ママ、この頃きれいになったね」
なんて言われたら喜んじゃいませんか?

すごく辛いのをペロっと平らげて「すご~い」と彼女に言われてヒーロー気分だって味わえちゃうのですよ。

スープカレー道はつづく・・・

僕は、全ての人を喜ばせることはできないかもしれないけど、Cahayaのスープカレーを通して、自分以外の誰かを喜ばせることが出来るという可能性を、この時、ようやく掴めた気がした。

もちろん、この追究にゴールはないが、あなたがあなたの住む街のどこかで笑顔でいられることや、元気に過ごせるようにサポートすることが僕のスープカレー道だと確信が持てた。

右も左もわからず踏み入れたスープカレー道だけど、今は
”あなたに元気を充電する”
というミッションを持つことができた。

ここに気づくまでだいぶ遠回りをしたけれど、その時間を与えてくれたのは、 Cahayaに来てくださったあなたのおかげだと本当に感謝しています。

もし、あなたが来てくれていなかったら、とっくに店はなくなっていると思うから。
どんなに僕が続けたくても、続けられない現実があったと思うから、あなたには本当に感謝しています。

まだまだ至らないところはたくさんあるけど、謙虚にあなたの声に耳を傾けて一所懸命にスープカレー道を歩んでいきます。

なんとしても、あなたに活力溢れる日々を過ごしてもらいたい。

電池が切れそうになったら、ぜひ、Cahayaにお立ち寄りください。

待ってます。

東京スープカレーCahaya総本店
シェフ  草野 能史

 

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